値上げ値上げの昨今ですが、我々エアコン工事業者は電線に冷媒管と銅を使用した材料を多く消費します。
エアコン工事に欠かせない冷媒管は、過去10年間で大幅に値上げされています。
その理由は、ご存じの通り冷媒管に使用される主要な材料である銅の価格上昇が大きな要因です。その価格は市場の動向に大きく左右されます。
今回は、過去10年間の冷媒管価格の上昇を振り返り、今後の予測についてお話します。
1. 過去10年間の冷媒管価格の動向
冷媒管の値上げは、主に銅の価格変動に大きく依存しています。以下のデータは、過去10年における銅の1キログラムあたりの価格を日本円に換算したものです。
- 2013年: 1キログラムあたり 600円
- 2015年: 1キログラムあたり 540円
- 2017年: 1キログラムあたり 748円
- 2020年: 1キログラムあたり 945円
- 2022年: 1キログラムあたり 1,058円
- 2024年: 1キログラムあたり 1,300円
※過去のデータから抜粋し計算したものなので100%性格ではありません。為替の影響もあるので大体これくらいと思って頂けると幸いです。
これを見るとわかるように、銅の価格は過去10年間で大幅に上昇しており、2013年から2024年にかけて約2倍にまで増加しています。この価格上昇が、冷媒管の価格に直接影響を与えています。
2. 値上げの要因
冷媒管の価格上昇の背後には、いくつかの要因が考えられます。
銅の需要増加
銅は冷媒管だけでなく、電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、データセンターのインフラなどでも使用されるため、世界的な需要が急増しています。特に、持続可能なエネルギー技術が拡大する中で、銅の需要は年々増加しており、それに伴い冷媒管の価格も上昇しています。
供給不足
主要な銅の生産国であるペルーやパナマなどでの鉱山ストライキや採掘制限により、銅の供給が不安定な状況が続いています。供給が追いつかない一方で、世界的な需要が増加しているため、価格が高止まりしています。
物流コストの増加
COVID-19のパンデミック以降、グローバルな物流の混乱や燃料価格の高騰により、銅を含む材料の輸送コストが大幅に上昇しました。この影響で、冷媒管の価格にも上昇圧力がかかっています。
3. 今後の冷媒管価格の予測
今後も冷媒管の価格は上昇し続けると予測されています。その理由は次の通りです。
持続的な需要増加
電気自動車やスマートホーム、再生可能エネルギーの普及に伴い、銅の需要が今後も増加することが予想されます。これにより、銅価格の上昇が継続し、冷媒管のコストも引き続き高騰すると考えられます。
環境規制の強化
冷媒に使用されるガスや材料に対する環境規制が厳しくなっており、今後も規制の強化が見込まれています。これに対応するための技術開発や材料調達コストが増加し、冷媒管の価格にさらなる上昇圧力がかかるでしょう。
供給チェーンの問題
銅の供給は依然として不安定であり、新規の鉱山開発が進まない限り、供給不足が続くと予想されています。供給不足は価格のさらなる上昇を引き起こす可能性が高く、冷媒管のコストもそれに伴い上昇していくでしょう。
4. 具体的な今後の見通し
2024年には、銅の価格が1キログラムあたり1,300円に達しており、過去の水準と比べて大幅に高い状態が続いています。今後、2025年以降も銅の需要は増加すると予想されており、冷媒管の価格はさらなる値上がりが予想されます。
今後数年で、冷媒管1キログラムあたりの価格が1,600円〜2,000円に達する可能性もあり、特に電気自動車や再生可能エネルギー技術が拡大するにつれて、銅価格はさらに上昇すると考えられています。
5. まとめ
過去10年間、冷媒管の価格は銅の価格上昇に伴い、大幅に上昇してきました。今後も、電気自動車や再生可能エネルギー、スマートホームなどの技術革新によって銅の需要が高まり、供給不足や物流コストの増加により、冷媒管の価格はさらに上昇すると予測されます。エアコン工事業者は、こうした価格上昇に備え、コスト管理や効率的な作業計画を立てることが重要です。
冷媒管の価格上昇は避けられない現実であり、業者としてはその影響を最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。今後の市場動向に注視しつつ、顧客に対しても適切な価格設定を行い、コスト上昇を理解してもらうことが鍵となるでしょう。
材料費の圧迫が大きな悩みの為となっており、お取引先様から工事料金の交渉の場を設けて頂くことになりました。
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