エアコンは冷媒(フロン類など)を室内機と室外機の間で循環させて熱交換を行う装置。その冷媒がどこかで漏れると、冷暖房の効きが悪くなったり、最悪コンプレッサーが焼きついたりするトラブルにつながる。
ガス漏れは“冷媒の循環系統が密閉されていない状態”だから、単にガスを補充するだけじゃ根本解決にはならない。必ず「どこから漏れたか」を見つけて対策しないと再発する確率が高い。
現場でお客さんに説明するとき、「ガスが漏れなければ何十年でも使えるわけじゃないけど、いい施工をすれば長持ちするんですよ」という言い方をすると信頼感も出る。
よくあるガス漏れの原因と特徴
ガス漏れの発生原因はいくつかパターンがあって、業者目線でも「ここがヤバい」って箇所が見えてくる。下記はよく見かける原因と、それが起きる状況。
- 施工・取り付け時のミス(初期不良)
- フレア加工不良:配管の先端をラッパ状に広げる作業で精度を出せていないと、接続面に隙間ができやすい。
- ナットの締め付けトルク不適切:締めが甘いと振動で緩むし、締めすぎると配管を痛めてクラックを誘発することもある。
- 脱着ミスで配管にキズをつける:移設・再施工時に配管に小さな傷や折れができ、そこから漏れることも。
- 異物混入:フレア面にゴミ・埃・切粉が残ったままナットを締めてしまい、微小な隙間ができてしまう。
取り付け直後に効きが弱い、冷房なのにあまり冷えないというクレームが出るケースは、こうした初期ミスが原因であることが多い。
(実際、設置後2日で冷えなくなる例も、施工ミス由来という報告がある)Yahoo!知恵袋+1
- 配管接続部の緩み・劣化
- ナットの緩み:エアコン運転中の振動や温度変化(膨張・収縮)によって徐々にナットが緩んでくる。
- フレア面の変形・腐食:長年使うとフレア部分が変形したり表面が腐食してシール性を失ったりする。
- パッキン・シール材の劣化:ゴムシールやOリング類が硬化・ひび割れして密閉性が落ちる。
特に外機と配管接続部、バルブ付近、ナット部あたりは重点的にチェックすべきポイント。
- 経年劣化・腐食・金属疲労
- 銅配管の腐食(ピンホール、アリの巣状腐食):湿気・塩害・酸性雨などが原因で微細な穴(ピンホール)ができる。
- 溶接部や継手のクラック:金属疲労や振動によって、継手・溶接部に亀裂が入ることも。
- 建物の歪み・振動による応力:建物の揺れや振動が配管に負荷をかけて、接続部へのストレスを蓄える。
- 過酷な設置環境:海沿い・高湿度・温度変動が大きい場所では、劣化スピードが速くなる。ENERUAIR+1
- 外的衝撃:室外機・配管がぶつかる、物が当たることで配管に傷が入る。
特に古い機器、配管がむき出しの部分、屋外に長時間さらされている部分は劣化リスクが高い。
- 室外機・設置環境の問題
- 室外機設置場所が不適切:直置きで水や飛散物が当たりやすい、通気性が悪い、振動が伝わりやすい地形。
- 配管取り回しの無理:急な曲げやねじれ、過度な長さ、支持が足りない取り回し。冷媒圧や応力に耐えられずに漏れ。
- 外装カバーや断熱材不備:配管がむき出しだと腐食進行が早まる。
設備的な施工ミス・環境選定ミスは、見落としやすいけど致命傷になり得るところだから、現場チェックで重点にすべき。
再発防止のための現場知識と対策
原因が特定できたら、再発を防ぐ対策をしっかり仕込もう。ガス漏れ修理をただ「補修 → 真空引き → 冷媒補充」だけで終わらせてはいけない。以下の処方を施すことで、お客さんに「この業者は違うな」と感じさせられる。
漏れ箇所の徹底特定と検証
修理をしてガスを補充する前に、必ず漏れ箇所を特定する。以下の手法を活用:
- 蛍光剤/蛍光検知:冷媒に蛍光剤を混入し、ブラックライトで漏れ箇所を光らせて見つける
- 電子式リークチェッカー:微量のガス漏れも検知できる道具でチェック
- 加圧・減圧テスト:窒素など不活性ガスを使って圧力試験を行い、リークがないか確認asahibm.co.jp+1
- 目視・触察・音でのチェック:ナット部・継手・溶接部・曲がり部などの近辺を丁寧に目視および触ってみる
補修後は圧力チェック・真空引き維持時間観察をやって、「漏れない」ことを確認してから冷媒を補充する。
この過程をおろそかにすると、ガス補充の直後は効きが戻っても、数日~数週間でまた効かなくなることがある。
補修・施工品質の徹底
- フレア加工は必ず正確に、面の精度を出す
- ナット締め付けトルクは機器仕様に合わせて適切に
- 異物混入を防ぐため、切粉・埃・ゴミを除去してから接合
- シール材・Oリング類は新品交換が基本(特に再施工時)
- 継手・バルブ箇所はサビ止め対策・保護カバーの設置
- 断熱材巻き直しの徹底:断熱が不十分だと結露→腐食促進リスク
- 配管は支持金具を一定間隔で設け、振動を逃がす工夫
- 配管取り回しは無理な曲げや折れを避ける設計
こうした“丁寧な施工”が、業者としての強みになる。お客さんに「施工が丁寧だね」と感じてもらえれば、リピートや紹介にもつながる。
定期メンテナンス・点検で早期発見を
ガス漏れは、初期段階で目視や動作チェックで異常をつかめることが多い。予防策としては:
- 年1回以上の定期点検(特に業務用機器)を推奨asahibm.co.jp+1
- 配管接続部・ナット部・断熱材部のチェック
- 振動・異音・異臭の有無を確認
- 配管被覆の劣化・破損・腐食チェック
- 冷房/暖房の効きチェック、圧力・温度差チェック
- フィルター清掃・内部クリーニングも一緒に実施(汚れが詰まると熱交換効率悪化 → 冷媒圧変動の誘因)おうちにプロ+1
この点検を“有料メンテナンス契約”としてお客さんに提案すれば、収益源にもなるし、信頼性も上がる。
環境・設置条件対策
- 配管は屋外露出部に耐候性保護材や保護カバーを取り付け
- 海岸近辺など塩害地域では耐塩害仕様材を使う
- 室外機は適切な架台に載せ、振動を逃がす設計に
- 落下物や飛来物の当たらない位置に設置
- 熱風排出口・通気確保、風当たりを考慮した配置
- 配管ルート設計で無理な勾配や突き出しを避ける
こうした環境配慮が効くのは特に劣化リスクの高い物件(海近・ビル風の強い場所など)で差が出る。
修理後のフォローと保証
- 補修・充填後は“リークチェック・安定稼働確認”を必ず実施
- 作業後の保証期間を設ける(例:6ヶ月、1年など)
- 漏れ再発時の無償対応規定を明示
- 点検記録を残して、お客さんに証明できるように
これをやっておけば、お客さんは安心して任せられるし、業者の信頼力になる。
ガス漏れトラブルでよくある質問と答え(お客さん目線で使える形で)
Q:ガスは自然に減るものですか?
A:いいえ、正常な状態のシステムなら冷媒は減らない。減るなら必ず「どこかで漏れている」証拠だから、その原因を見つけて修理しなければ再び効きが悪くなる。
Q:ガスを補充すれば直るでしょ?
A:短期的には改善するけれど、漏れた原因を直さなければまた同じことが起こる。ガス補充はあくまで“最終手段”であって、“暫定処置”になってしまう。
Q:修理費はどれくらい?
A:ガス漏れ箇所の修理は数千〜数万円、冷媒の補充は機種・種類(R32など)によるが、合計で1〜5万円程度になることが多い。大がかりな修理が必要な場合はそれ以上に。おうちにプロ+2ワイプル+2
Q:古いエアコンは買い替えたほうがいいの?
A:10年以上使って劣化が進んでいる機器は、修理コスト・漏れリスクを考えて買い替え検討が合理的なケースもある。
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